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2008年9月15日 (月)

甘粕正彦と里見甫

080915_amakasu_佐野眞一のノンフィクション 080915_satomi

旧満州帝国の裏面史の主人公とも言える二人の人物に焦点を当てた。週刊誌の連載記事がベースであるせいか、やや冗漫な記述があるように思うが、とにかく読み応え充分な2冊。

-乱心の曠野-
大杉事件の主犯とされ、服役の後パリ遊学を経て中国大陸へ。満州国建国などに暗躍、満州映画協会理事長に就任して辣腕を振るい、1945年8月20日青酸カリを呷って自決した元憲兵大尉甘粕正彦。

-阿片王-
旧陸軍と深く結び、上海でのアヘン利権を一手に収め、麻薬王と呼ばれた里見甫。

非業の死を遂げた甘粕に比して、A級戦犯に指定されながら訴追を免れ、天寿を全うした里見甫。

謎に満ちた二人ながら、その最期を分けたのは、国家に忠誠を尽くし図らずも一身を犠牲にせざるをえなかった甘粕に対し、里見は主体的選択を行い得た点の違いであろうか?

満州帝国は統制社会主義の実験場でもあり、わずか10数年で消え去った人工国家。
その影響は戦後にも連綿として続いていた。

石原完爾が主導して結成された政治組織満州協和会協力した歯科医小沢開作が、尊敬する軍人石原完爾と、板垣征四郎との名前を一文字づつ貰って我が子が小沢征爾とは知らなんだ。

旧満州帝国に関係した人々が、戦後日本の政治、経済、文化への影響は計り知れない。

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