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2007年9月 8日 (土)

幾山河-瀬島龍三回想録-

070908_ikusanga瀬島龍三氏の訃報に接し再読。どうやらそんなに重版されてないらしい。ネット書店を何軒か探したが在庫無し。Amazonのユーズド価格で4,600円以上の値がついていた。
1995年9月30日初版、手元のは10月10日の第2版2,800円也。
ともかく、

能力、見識共に常人ではない。

陸軍幼年学校-陸軍士官学校は2番-陸軍大学校は主席で卒業。参謀本部に務め、先の大戦中は大本営参謀として大東亜戦争の作戦立案に関わり、戦後は11年間のシベリア抑留を経て、繊維商社であった伊藤忠商事に職を得、会社を国際総合商社に押し上げた。その後、政府臨調の委員として、国鉄の分割民営化、電電公社の民営化など行政改革の実現に辣腕を振るい、戦後の日韓関係の再構築に深く関わった人物。

岳父は2.26事件で、時の首相岡田啓介の身代わりとして凶弾に倒れた松尾伝蔵陸軍大佐。
松尾は岡田首相の妹婿にもあたる。

服部卓四郎や辻正信など、謀略を用いて日本を戦争にミスリードしながら、戦後、全く反省の色がなかった旧軍人達が参謀本部員に多かったため、彼を同様に批判する向きもあるが、その後の履歴から見て、相当の見識、人格、手腕を備えた人物ではあったろう事は想像に難くない。

シベリア抑留など、劇的な人生であったにもかかわらず、記述は淡々としている。
もっと赤裸々な暴露話を期待する向きには、隠し事が多いはずとの批判もあるが、戦前戦後を通じて彼が直面した状況に対し、的確に分析し、問題点を見いだし、戦略を決定し、戦術を組み立てる。明晰な参謀として、彼がいかに有能であったかを雄弁に物語ると共に、彼の人間性を雄弁に物語る本と思う。

戦略的な考え方の好い参考にもなると思う。

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