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2006年8月26日 (土)

異形の王権

060826_oken著者(網野善彦)は、日本中世史に光を当てた人。

均一な農耕文化を中心とする日本の中世史観に一石を投じ、中世史研究に大きな影響を与えた。

中世日本の中心的存在は百姓だけではなく、商業、興業、遊芸など多様な人々が存在するダイナミックな社会であった事を実証した。

真言立川流に傾倒した後醍醐天皇の特異性は突出している。教科書などによく載る後醍醐の肖像画は、手に密教の法具である金剛杵を持つ。これが異形そのもの。

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2006年8月14日 (月)

Moto君

060814_moto早朝から盆踊りの準備に汗を流す好青年

ニッコリ笑う前歯がきれいに欠けている。聞けば夕べ差し歯がポッキリ折れたとか。

  • あのぉ、今晩の盆踊りちょっと用事がありまして。
  • かまんよ、で、何の用事?
  • いや、ちょっと、彼女の親とウチの親と食事を・・。
  • そりゃ大事な事やな、しかし、その大事な食事会にその欠けた前歯のまま出かける気か?
  • でも、お盆でどこも休みでしょうし、どっか開いてる歯医者さん知りませんか?
  • お盆やしなぁ。・・・ (◎-◎)そこに歯医者が居るやないか!

早朝からの作業で汗だくの琴平分館長U先生(歯科医)が、一休みしながら美味そうにビールをあおる姿が目に入る。

  • えっ、でもお休みのところ悪いですし・・・。

とにかく、U先生に事の次第を説明すると、それはイケン、「応急処置だけでもしようか?」と言ってくれ、盆踊りの準備が終わる午後に、ということになった。

連日の猛暑にU先生のビールが進む。何本目か缶ビールを開けたところでMoto君不安になったらしい。

  • あのぉ、・・・先に診療所行きませんか?

U先生が酔っぱらう前に応急処置は無事終了。
食事会の際、先方の親御さんに挨拶をしたとたん差し歯が落ちるように処置した。というU先生の狙いは失敗、無事食事会は終了したらしい。

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2006年8月10日 (木)

東アジアノート

060810_eanote著者は講談社の記者。出版社系雑誌は月刊、週刊なので、日々刻々ニュースを追いかける新聞社や放送記者に比べ少し引いた感覚があり、そこがまた面白かった。

筑紫哲也(朝日新聞出身)が、新聞記者の資質として大事なのは先ず好奇心。記者は、新聞社の入社試験、新人教育、地方局勤務を経て、何にでもどん欲に食いついていく奴が、選りすぐられて一人前の記者になっていく。と、講演会で言っていたのを思い出す。

小泉総理大臣の外遊同行取材のうち、2度に及ぶ平壌訪問を含め、韓国、中華人民共和国、中華民国の4カ国について、日々の報道ではなかなか伝わらない「今」が見えてくる。

靖国神社の事は、上手く中、韓の外交カードに使われとるなぁ、という印象。
この問題の本質は、自国の近代史について、分析、批判、評価を怠ってきた日本人のいい加減さにあると思う。

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2006年8月 7日 (月)

宮本常一

忘れられた日本人民俗学者宮本常一が、全国くまなく(本当にくまなく)歩き続けて採集した民間伝承の数々。
数十年前まで、日本の辺境部では江戸時代の影がかいま見えていた。

「日本文化の形成」日本民族文化の成り立ちを求め話は古代の中国、朝鮮半島、琉球諸島にまで及ぶ。

宮本常一を読んで妙に納得した。日本人の会議下手根源DNAにあった、と。議題という本道から必ず横道にそれ、皆が迷路に迷い込みまとまりのない会議になりがちなのは、それが日本人のスタイルだからなのだ。

非効率きわまりないが、この果てしない無駄な回り道こそ、ムラ社会でコンセンサスを作り上げる手段に他ならない。

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2006年8月 5日 (土)

夏季セミナー

060804seminar 愛媛県歴史博物館学芸委員大本さんをお招きしてのセミナー題して「八西宇和地域の祭り

三島神社秋の大祭「神幸(みゆき)祭」と県内他地域秋祭りとの比較を中心とした内容。その内容の充実もさることながら、大本さんのソフトな語り口も相まって皆さん大満足の講演会。

神幸祭についての認識が一同大いに改まった様子。

特に、当地の山車(御車)については、

  1. 山車・太鼓台などは人形を乗せる形態が比較的古い。
  2. 次いで彫刻装飾が出現する。
  3. さらに刺繍装飾が加わる。

などと発展を遂げきた要素すべてが混在し、かつ実際に祭礼に使用されている希少例だとか。しかも、内之浦の日本武尊、琴平の小野道風、清水町の菅原道真、人形はないが、彫刻、刺繍装飾を備えた本町の御船(大本さんの知る限り台船廻しは本町のみのスタイルだとか)と4台も残るボリューム。

これらに加え、南予に特有な祭りの形態すべてが継承され、実際に運行されている数少ない事例の神幸祭は無形文化財の価値十分にありとのこと。

地区に限らず日本全体の人口、経済規模が縮小均衡に向かう中、次世代に神幸祭を継承するための熱い議論がますます高まる今日この頃。

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