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2006年5月29日 (月)

白洲次郎

060527_kazeotoko白洲次郎-風の男」は、終戦後吉田茂の懐刀と呼ばれ、GHQと渡り合った人物の評伝。夫人の白洲正子さんが著者(青柳恵介)を見込んで執筆を依頼した本。

主人公の白洲次郎はとにかく痛快でカッコイイ。GHQ高官をして
「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた。

祖父は三田藩(兵庫県三田市)の大参事、実父は実業家、本人はケンブリッジ大学クレア・カレッジ卒業というなんとも、華麗な経歴の持ち主。

GHQの高官にその英語を褒められた際

あなたももう少し勉強すると英語が上達しますよ。

と切り返したとか。とにかく痛快なエピソードが満載の人。

今日出海、河上徹太郎達と親交を結び、小林秀雄とは子供同士が結婚という、その交友関係も上質なものであったらしい。

戦後発足した「貿易庁」(通産省の前身)の成立に深く関わりその初代長官を務め、分割民営化により成立した東北電力の会長に就任したり、戦後日本のグランドデザインに大きく関わったその業績は一言では言い表せない。最近新たに評伝が出て、「山本七兵賞」をとった。物語風な内容でおもしろく読めた。060527_sirasu01

ただ、かなり圭角のある人物だったらしく、彼に邪険に扱われた人々からの評判は芳しくない。が、本質はせっかちで、優しくて、照れ屋だった。青柳恵介が名付けた「風の男」は言い得て妙と思う。

他に本人の書いたものを集めた
プリンシプルのない日本」も小気味よく面白かった。

Principleとは本人がよく口にした言葉で、原理とか原則、高潔な精神を基にした信条、徳義という意味が含まれるらしい。とにかくスジの通らないことは嫌いだったとか。

占領時代、GHQとのやりとり、サンフランシスコ講和条約調印に至るまでは特に興味深い。現行憲法の成立の経緯など、改めて考えさせられる事が少なくない。

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